長年、使わずに放置されていた金庫。あるいは、遺品整理で見つかった、開かずの金庫。その処分を決意し、業者に連絡する、まさにその前に。あなたには、必ず、行わなければならない、極めて重要な「最後の儀式」が残っています。それは、「金庫の中身が、本当に、完全に、空であるか」を、最終確認することです。当たり前だと思うかもしれません。しかし、毎年、全国の金庫処分業者や、廃棄物処理場では、処分された金庫の中から、思いもよらぬ「お宝」が発見されるという出来事が、後を絶たないのです。金庫の中に、忘れ去られがちなものの代表格が、「現金」や「貴金属」です。へそくりとして隠しておいた、旧紙幣の束。あるいは、昔、購入した、記念金貨や、宝石類。本人も、その存在をすっかり忘れてしまい、家族は、もちろん誰も知らない。そんな「眠れる財産」が、鉄の塊と一緒に、永遠に失われてしまう可能性があります。また、金銭的な価値以上に、失ってしまったら、二度と取り戻すことのできないものも、金庫には眠っています。例えば、「土地の権利書」や「保険証券」、「実印」や「銀行の通帳」といった、重要な契約書類。あるいは、もっとプライベートな、亡くなった家族が遺した「手紙」や、古い「写真」、先祖代々の「思い出の品々」。これらは、あなたや、あなたの家族にとって、お金には換えられない、かけがえのない宝物のはずです。処分を依頼する前に、もう一度、金庫の隅々まで、手を入れて確認してください。もし、金庫が開かない状態なのであれば、処分業者を呼ぶ前に、まずは「金庫の鍵開け業者」に連絡し、中身を確認することを、強くお勧めします。開錠には費用がかかりますが、その中に眠っているかもしれないものの価値を考えれば、決して高い投資ではありません。金庫の処分は、いつでもできます。しかし、一度、処分してしまったら、その中身は、もう二度と、あなたの元へは、戻ってこないのです。